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ぶなの森通信 2018年9月号

 毎月「ぶなの森」通信をお読みいただいてありがとうございます。 この通信は基本的に毎月発行しています。ぶなの森のホームページでも、公開されております。お好きな時に読み返しができるので、ぜひ HP の方もご利用ください。字が多いと、見ただけで読む気力が削がれることが多いですね、できるだけ楽しく読める方向で進めたいと思います。しかし、残念なことに、今回はかなり長文になりました。 最後まで読むのはしんどいかもしれませんが、今回はどうしても皆さんにお伝えしたいことがたくさんあって、短い文章では書ききれませんでした。最後までお付き合い宜しくお願いいたします。

被災地支援について

 3.11 東日本大震災後、東北を訪問し始めて5年目になります。いろいろなご縁が繋がって、宮城県亘理郡山元町へ、私が主宰する「ラインの風」として訪問を始め、ライアー(竪琴)と人形劇、お芝居、歌など見る側、聞く側の垣根がない一緒に楽しめるコンサートを開催してきました。東京オリンピック開催が決まった年から、この震災の話はほとんど報道されなくなり、その後は全国各地での災害が続き、東北のことは、多くの人の中ではもう終わったこととなっています。 実際はそうではありません。つい先日の北海道の地震、それ以前にも熊本を始めたくさんの地で地震が発生し、多くの方が今も大変な状況であることに心を痛めていま。大変なのは、決して東北だけではないと、私たちが東北支援にいくことについて言う人達がます。豪雨による水害も年々大きくなり悲しい出来事が本当に多いです。そのたびに全国からボランティアが集まり、被災地で支援をする姿を見るたびに、助け合う、お互い様という日本にある素晴らしい精神に心を打たれます。

ヒューマネット・デュッセルドルフの活動

 多くの災害があり過ぎて、全ての所を訪問して、全ての方をサポートすることはできません。しかし、出来るところから何かしたいと、被災後すぐに、物資を送ることも大きな力になります。気持ちを送るだけでも支援になりますが、「何かしたいけど、何をしていいか分からない」そんな方は、被災地に行っている方、支援している方をサポートするという方法もあります。デュッセルドルフでは、私の東北支援に「ヒューマネット」の皆さんが多くのサポートをして下さっています。2016年、2017年で、合計約76万円を、山元町の放射能から子どもを守る「結の会」に寄付してくださいました。その寄付金は、デュッセルドルフにある、「ヒューマネット」の売上金を当てて下さったのです。

▼ヒューマネット HP
https://humanet1986.jimdo.com/

私達は、帰国、引っ越しの時、それ以外でも不要になった物でまだ使えるものを、そこに持っていくだけで、世界中の戦地や被災地の子どもたちのための支援につながります。ぜひ一度ホームページをご覧くださいね。

宮城県・福島県の支援

 今回、5回目の訪問となった、宮城県と福島県。私たちは規模的にはとても小さいもので、電車や徒歩で会場を回っています。回を重ねるごとに、その土地での知り合いが多くなり、受け入れてもらっているという感覚が年々増えてきました。行き始めた最初の頃はかえって迷惑にならないか、復興を目指し、必死で生きている方々に会場の予約から、当日のセッティング、宿泊まで様々な面でお世話になることに申し訳なさもありました。それでも毎年会える地元の皆さんの笑顔がだんだん増えていくのが何より嬉しく、まるで自分の故郷へ帰るような気持ちで、今まで続けてきました。

被ばく牛

みなさんは、「被ばく牛と生きる」という映画をご存知ですか、昨年秋日本で公開された映画です。ぜひ一度このサイトをご覧ください。

▼被ばく牛と生きる
http://www.power-i.ne.jp/hibakuushi/

南相馬市小高区と浪江町にまたがる牧場で 300 頭以上の被曝牛を生かし続けている人がいます。絶望の中に少しでも希望を見出したいとの考えから「希望の牧場」と名を付け、被曝牛は原発事故の生き証人との考えから、今なお、牧場で育てています。牧場主は吉沢正巳さん。

その「希望の牧場」へ行ってきました。吉沢さんさんはいませんでした。ここに連れてきてくれた私の友人は、今年初め偶然この場所を通りかかり、この牧場のことを知ったそうです。彼は吉沢さんに会って長い間話したそうです。私は、その牧場の柵の前に立って、何も言葉が出てきませんでした。悲しい?悔しい?言葉に出すとどれも当てはまりません。胸が痛くなり、胃が締め付けられ、ただただそこに立っていました。あまりにも悲惨な牛たちの姿でした。

① 300 頭近い牛の餌は丸いわら俵。一日 10 個必要だそうです。一個が 3000 円。1 か月で 90 万円。それに加えてそのわら俵を運ぶ輸送費、ガソリン代を合わせると、とても吉沢さんの国から支給されている賠償金だけでは払えません。全国からの寄付で補っていますが、それだけでも足りなくて、汚染したわらをもらってきて餌としているそうです。そして驚いたのは、中だけくりぬいてあるパイナップル。中身は人間用なので、ありません。皮だけのパイナップルが細かく切らずにそのまま半分の形で、外に積み上げられていました。そのまま餌として与えているそうです。

② 牛はほとんどがやせ細ってあばらが見えていましたが、数頭なぜか太っていました。親分牛。数頭の牛は、糞が集めてある場所で、必死になって糞尿の中のわらを食べていました。それをずっと遠くから見ている牛たち。なんて悲しい光景でしょうか。牧場は糞尿の臭いが充満していました。吉沢さんのやり方はいろいろ批判されています、でも実際この牛を見たら、とにかく「原発はいらない」「もう二度とこんなことがあってはならない」という思いだけが肚の底から溢れ出てきました。

3.11 結 放射能から子どもを守る会

 今回、亘理郡山元町の坂元公民館でコンサートをした時、偶然にも子どもたちの甲状腺のエコー検査日にあたっていました。甲状腺のエコー検査のための機器は定価は 700 万円だそうです。それを何とか 400 万円にしてもらい、半分は宮城県が負担、残り半分の内、100 万円は、岡内医師個人から、残り 100 万円は、結の会からで、デュッセルドルフのヒューマネットからの寄付金 76 万円は、しっかりお役に立てたようです。

甲状腺エコー検査

 この地域で甲状腺がんのお子さんは見つかっていませんが、最初は 70 名近くのお子さんが検査を受けに来ていたのにこの日は 16 名でした。その理由を岡内医師に尋ねると、7 年前に小さかった子が今では 20 歳を過ぎ、世間の目を気にするようになった、またならざる得ない状況になっているという事です。 年頃の男女が甲状腺がんの検査に行っている、という事が分かると、結婚できない、世間の目を気にせざるを得ない状況のようです。広島の原爆の時と同じ、腹立たしいくらい悲しいことです。人に知られたくない、自分ももう忘れたい、というようなことで検査を受けなくなると、癌の早期発見ができなくなります。子どもたちのいのちを守る検査ですが、そういう状況を作り出している事実を、大人がもっと自分こととして考える必要があります。子どもたちを見守る私たち大人の意識が変わらないといけないと強く思いました。

一人一人が調べて考えて決める

 現代は情報が溢れている社会です。新聞・テレビ・雑誌・インターネットの記事が全部正しいものではないという事は、もう多くの人が分かってきています。ではどれを信じたらいいのか? それが大きな問題です。
子育てや教育に関しての情報も同じです。 先ずは調べてみる、いろいろな角度から考えてみる。情報をうのみにせず、調べて自分の頭で考えてみるという事がこれからはとても重要になってくると思います。子育てに関して言うなら、先ずはお子さんの姿をよく見ることです。体からは発している信号をキャッチして、その子の強みを見つけてあげる為には、親は先ずは自分の生き方を見直さないといけないと思います。子どもの教育の前に自己教育。常識や世間体、思考の狭い枠に押し込まれず、そこから飛び出す勇気を持つことはとても大事なことですね。

海外に住むというメリットは、そういう枠を外せるチャンスでもあります。日本にいた時のような世間体や常識が崩される場面がありますが、それが飛び出すチャンスだと私は考えます。これからの日本は、きっとそういう狭い枠からはみ出た人が活躍できる場に変わっていくと私は信じています。

「ぶなの森通信 No6」 今回はかなり固い読み物になってしまいました。でもどうしても知って戴きたいことばかり書きました。「チコちゃんに叱られる!」という NHK に番組をご存知ですか?チコちゃんがいつも言うセリフ「ぼーっと生きてんじゃねえよ」 あのセリフいいですね。もっともっと「あれ?どうして?」と思うことに、意識を向けて考える事、調べる事、すごく大事だと思います。

では、来月からは、またちょっと緩めの内容にしたいと思います。長い文章をお読み下さりありがとうございました。

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